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この醜い顔で、なお付き合ってくれるヒトミのような人間をまた探し、男だか女だか知らないが、その人たちとうまくやるために心の中で格闘をするのだろう。「好き?」「大好き」と嘘もつくだろう。それが嘘じゃなくなる日を待って、執拗に繰り返すだろう。
“僕が人形と眠るまで” 豊島ミホ
拓ちゃんはばかだ。
だって、私のことを好きなくせに「巻き込めるかどうか不安」なんて言う。好きなのに、好きだから、どっちにしろばかだ。好きだったら何も言わずに巻き込めばいい。
しょせんその程度の「好き」なんだ、と私は思う。拓ちゃんは私を愛していない。本当に愛していたら、私が人形と喋ろうが人形になろうが自分のもとに置けばいいのだ、それが自己満足だとか指摘されても。それでこそ恋だし、運命だ、と思う。
”きみのいない夜には” 豊島ミホ
ーー運命じゃなかった。
その時から、私は運命が欲しい。ゆるぎなくて、強くて、誰がなんと言っても邪魔されないような、自分を押し流す運命が欲しい。
”きみのいない夜には” 豊島ミホ
ーージーンズと合わせるとすっごいかわいいんですよ!
店員さんはそういった。でも私は、あのブラウスには白いふわふわのロングスカートを合わせたかった。それはつまり、私の感覚が世間と若干ずれていることを意味する。甘々の、かわいらしいコーディネート。人形には似合うけど、私にはとうてい似合わない。
“手のひらの中のやわらかな星” 豊島ミホ
教室で、冬馬さんをはじめとする華やかな子たちは、携帯をストラップで飾り、体操着を入れる袋をブランドロゴの入ったバッグにしたり、相変わらずパッとしていたけれど、私の人形ほどかわいくはなかった。
だって紺のブレザーはレースで飾れない。シャツをピンクの水玉模様にしたりできない。スカート丈を詰めたって、靴下にたるみをつくったって、制服はずっと制服。
”手のひらの中のやわからかな星” 豊島ミホ
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